島巡り編〈1〉 メレメレ島~アーカラ島
■ introduction
独自の民族的魔術が根付く文化を学ぶため、魔道学校の教師となったパッシィと共に海を渡って海外研修にやってきた5人の生徒達。
その中の一人のガオガエンの少年・
マリエヌは、魔道協会付属の孤児院で育ち、親の顔も家族という物も知らない。魔導の才能で人を驚かすことが得意で、技術をさらに磨くことでその腕前を耳にした両親がいつか見つけてくれるかもしれないと思い、魔導学校で勉強する日々を送っていた。そんな中カロスチャンピオンの実績を提げて飛び級で教師として赴任してきたのがパッシィだった。
生徒達のそれぞれの成績と事情を把握したパッシィは彼らに一人前の魔導師になるための見識を広げるため、アローラの独自の文化を耳にし、この海外研修を薦めたのだった。
そして彼らを乗せた客船はアローラ地方のメレメレ島へと到着する。
このアローラでの出会いが、あらゆる世界の運命とマリエヌの人生を大きく変えるとは思いもよらず――
■ メレメレ島 1番道路~リリィタウン
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アローラ地方のメレメレに到着し、早速1番道路のコテージを拠点に海外研修を始めるパッシィとマリエヌ達魔導学校生徒。
西洋文化のカロス地方とはまた違った南の島の青と緑に触れ合いながら周囲を散策するうちに、一行が辿り着いたマハロ山道で、一人の少女と橋の上でオニスズメに襲われている青年を見つける。
咄嗟に全員で助けに行くが騒いだ衝撃で橋が壊れ始め、戻り損ねた青年の手を掴んだマリエヌが一緒に滝へ転落……する直前、2人を救出したのは橋の向こう側にある遺跡から現れた
カプ・コケコだった。
助けた少女は「リーリエ」と名乗り、青年を「ほしぐもさん」と呼んでいた。
その日の夕方からリリィタウンで行われるゼンリョク祭に異文化交流として参加することになり、生徒達と島の人々がカプ・コケコに捧げるバトルを繰り広げる。そして最後まで勝ち抜いたマリエヌは、カプ・コケコに助けられた時にひっそり持たせられていた輝く石で作られたZリングを授けられる。
その日の夜、ほしぐもさんが行こうとしていたカプ・コケコのいる戦の遺跡にもう一度行けるところまで近づこうと生徒達全員でひっそりとコテージを抜け出し、マハロ山道へと向かう。
橋が壊れてしまったせいでそれ以上近づく術がなく諦めて帰ろうとしたその時、突如謎のホールが彼らの前に出現し中へと吸い込み始めた。事態に気付いたカプ・コケコとパッシィがその場に駆けつけるも、マリエヌ以外の生徒は全員ホールに取り込まれどこかへ転移してしまった。
翌日、バラバラになってしまったメンバー達を探し出すため、Zリングを手に入れたことをパッシィに見込まれたマリエヌは、アローラ地方伝統の『島巡り』を行いながら各地を巡る「課外授業」を始めることとなった。
まずは当初の予定で授業を開始するはずだった1番道路の先にあるアローラ分校の校舎に訪れ、そこで待っている『遅れて研修に参加したもう一人の魔導学校生徒』との合流に向かう。
■ メレメレ島 トレーナーズスクール~ハウオリシティ
『島巡り』をサポートする『遅れて研修に参加したもう一人の魔導学校生徒』と合流するため、1番道路の校舎に訪れるマリエヌとパッシィ。
そこで待っていたのはディアンシーの少女・
ヴィンリアだった。
彼女はとある事情で急遽魔導学校に学籍が作られた所謂“特待生”であるらしく、カロスエンブレムを持つパッシィのもとを頼って便宜上研修生の一人としてアローラ地方にやってきたという。
『鉱石の花(ロイヤルピンクプリンセス)』と呼ばれる鉱石を司る驚異的な特殊魔導の素養を持ち、その力で世界各地で起きている異常現象を解決するため伝説のポケモン・ジガルデに会うことを目的として、以前までカロス地方で保護者と共に修行をしていた。
しかし保護者もその異常現象に巻き込まれて離れ離れになってしまい、その後自分を保護した魔導協会本部の研究によると、ジガルデも現象の影響を受けてかアローラ地方に転移したうえに分裂してしまっていることが突き止められ、分裂したセルを回収するためジガルデキューブを託されアローラ地方に送られたのだった。
昨夜生徒達が謎のホールによって転移させられてしまった現象こそがヴィンリアの話す異常現象であり、それは世界を覆う次元のエネルギー自体が歪み始めていることが原因らしい。
協会本部からヴィンリアのことを説明されていたパッシィは、ヴィンリアの目的とバラバラになってしまった生徒達を見つけ出すこと、そしてそれらは協会本部をも動いている事態であることを踏まえ、このアローラ地方で起こり始めていることを解明するため――そして純粋に研修に臨むマリエヌの魔導士としての腕をここで試すために『島巡り』を課すことを考えたのだという。
さらにヴィンリアは『島巡り』を行ううえで共に行動しているととても心強いサポート役になるとパッシィが言うが、当のヴィンリア本人はこれと言って心当たりがないようだった。
マリエヌが『島巡り』を始めるための一通りのレクチャーを受け終わったところで、リーリエとほしぐもさんも校舎へと訪れる。
ほしぐもさんは自分が戦の遺跡に行こうとしたのが切欠となって生徒達が異常事態に巻き込まれてしまったことに責任を感じており、リーリエと共にできる限りの協力をしたいと話す。そして2人もまたそれぞれの事情のため、アローラ地方を巡ることを目的としていた。
こうしてマリエヌとヴィンリア、そしてほしぐもさんの『島巡り』が始まったのだった。
■ メレメレ島 ハウオリシティ~大試練
島巡りの関門である試練を受けるためキャプテンを訪ねてハウオリシティに訪れたマリエヌ達。港に向かうと、キャプテンのイリマがスカル団に絡まれていた。
そこに船着場で作業をしていたレディアンの少女が止めに入ろうとするが、駆け寄った矢先に転んでしまい逆に自分がピンチに陥ってしまう。イリマと少女を助けるためマリエヌとヴィンリアはスカル団の退治を試みる。
無事マリエヌ達によってピンチから脱した少女・アンナはリリィタウンで祭事のスタッフをしており、普段は町と港を行き来しながら運搬作業の手伝いをしていた。先日のゼンリョク祭りにも携わっており、彼女もまたバトルに勝ち抜いたマリエヌに一目置いていた。島巡りを始めて試練を受けようとしているというマリエヌ達の話を聞き、助けてもらったお礼にできる限りの協力がしたいと言って最初の試練に案内してもらうこととなった。
茂みの洞窟で1つ目のイリマの試練に挑戦し、メレメレ島の試練に詳しいアンナのアシストによりマリエヌは見事に試練を達成する。
その証としてイリマからノーマルZのZクリスタルを授けられ、アンナがそれに触れた瞬間、Zクリスタルが強く光り出した。そして、アンナとノーマルZの間に生まれた強いエネルギーを感じ取ったヴィンリアは、アンナの手を取り自分のエネルギーを込める。それによりアンナはZワザ『ノーマルダッシュアタック』を習得した。
パッシィの言っていた「ヴィンリアの心強いサポート」とは、鉱石を司る力によってZクリスタルと適合者の仲介役となる能力だったことが発覚したのだった。
Zクリスタルが適合したことを察知してか、試練では強い闘志を纏っていたぬしポケモンのデカグースが落ち着いた様子で呼びかける。
デカグースが案内した先には、転移してしまったマリエヌのクラスメートの一人・クリュッグが洞窟のヤングース達と共に魔導書を広げてデカグースが纏っていたオーラの解明に夢中になっていた。
クリュッグはホールに吸い込まれた後、この洞窟に転移させられぬしポケモン達に匿われていたのだ。
こうしてマリエヌはバラバラになってしまったクラスメートを1人見つけることができた。
クリュッグは報告を受けたパッシィによってコテージへ保護され、その後メレメレの花畑でリーリエとはぐれて迷子になっていたほしぐもさんを見つけ、今一度戻って来たリリィタウンで準備を整えたマリエヌ達はしまキングのハラとのバトルを行う大試練に挑む。
相手の弱点を突き優勢となったアンナの勢いに後押しされ、マリエヌは最後のしまキングのポケモンを打ち倒した。
ハラに勝利したマリエヌ達は大試練を達成し、メレメレ島の島巡りをクリアしたのだった。
■ アーカラ島 カンタイシティ~せせらぎの丘
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次の試練を受けるため、マリエヌ達はパッシィの用意した船で島巡りな2つ目の島アーカラ島へ向かう。
Zクリスタルの適合者となったアンナはこのまま島巡りについて行くことになり、船旅の最中マリエヌとヴィンリアそれぞれの事情の説明を受ける。
アーカラ島に到着しカンタイシティの港で船を降りると、そこには1人の警察官らしき青年が立っていた。地図を凝視したまま一向に動かない彼を不思議に思ったマリエヌが「何か事件でもあったんですか」と声をかけるが、学生と認識するや否や不機嫌そいうな顔をして「わざわざ警察に話しかけるなんて君こそ迷子か何かか」と返事をした。
島巡りをしていてこの島に来たと話すと、「俺はこの地方の者ではないから仕事中に子供の相手をしている暇はない」と言って去ってしまった。
水の試練に挑もうとするもヴィンリアはあることに気づいた。炎タイプのマリエヌでは全く歯が立たないことに。
そこでしまキングからカクトウZを授かったアンナが水の試練を一手に引き受けることになる。
マリエヌもできる限りに時間稼ぎをし、アンナはぬしポケモンのヨワシを相手に自身の戦法で持久戦へと持ち込んむ。そして最後にはZワザ『全力無双激烈拳』で圧倒的なダメージを与え見事に勝利した。
アンナの大健闘によってミズZを授かり、転移させられたマリエヌのクラスメートル の一人・ロレーヌがヨワシ達に匿われていることが発覚し無事に彼女を発見。ロレーヌはヨワシの仲間のママンボウの回復によって安全に過ごせていたことを感謝し、マリエヌ達と共に街へと戻って行った。
ロレーヌを拠点のホテルしおさいに送る道中訪れたロイヤルアベニューで、偶然パッシィにアローラ地方へ招待されていた彼の幼馴染の青年・アーミィと出会う。
パッシィから事情を聞いてきたアーミィはロレーヌを気にかけるが、親戚として付き合いの長い彼に改めて心配されるのが照れ臭いロレーヌはやたらとつっけんどんな反応を繰り広げる。
そのままロレーヌをホテルへ送るのをアーミィに任せ、マリエヌ達は一度ポケモンセンターへと戻った。
何故クラスメート達が転移させられたのか、そして他のクラスメート達を見つける術を探す最中、せせらぎの丘の湖で水質の調査をしていたプロダイバーの女性ラクネアに出会う。
メレメレ島で起きた異常現象にクラスメート達が巻き込まれ、『島巡り』をしながら彼らを探していることを話すと、空間研究所の職員でもある彼女に研究所のデータを調べれば何かわかるかもしれないと提案され、研究所に案内してもらうまでの間、協力を得られることになった。
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一方、次元の異常現象について独自で解明を進めていたパッシィは先に一人で命の遺跡の前に訪れていた。
パッシィもまた、ヴィンリアから聞かされた話には以前から心当たりがあった。
2年前にカロス地方で旅を終え、自分を含め仲間達はそれぞれこれからどうするかを考え始めていた中、遠くの地方からやってきたというサイネリアとヒットーは故郷の様子を調べようとするが、どうにも彼女たち自身が知っている情報と一致しなかった。2人ともカロス地方に訪れる際、乗っていた船が突如起こった嵐のような怪奇現象に巻き込まれるも、しばらくすると何事もなかったかのように安全な状態に戻り、そのままカロス地方へと到着したことを話す。
それを切欠に不可解な事態が次々に浮き彫りになってゆき、きわめつけにはヒットーの旧知の人物であるミュウツーの青年・レンによって「今の状態では元いた故郷に帰ることはできない、この世界にその故郷は存在していない」「何故ならこの世界はヒットー達の本来いた世界とは別の『平行世界』だからだ」と信じがたい話を告げられるのだった。
故郷に帰れない事実を突き付けられ途方に暮れるサイネリアの姿を目にし、なんとかして彼女達を帰す方法はないか、パッシィは魔導協会が解明しているあらゆる情報をもとに手掛かりを探し回っていた。
今回の海外研修も、パッシィ自身の目的はアローラ地方でその手掛かりを掴むためであった。
そしてその在り処が命の遺跡であることを突き止め自らの足で赴いたのだが、その手掛かりとはこの遺跡に祀られている守り神――ではなかった。パッシィ以外は何もいないはずの場所で呼びかけると、それは姿を現す。
少年のような姿をした魔人・フーパだった。本来守り神のお気に入りであるこの場所で、その守り神の趣きとは違うものが僅かながらに散乱していることが近頃近隣住民に目撃されていたのだ。
自分がいることを見破ったパッシィにフーパは興味を抱き、そんな彼にパッシィは尋ねる。「空間を繋ぐことでどんなものでも瞬く間に移動させる力を持つ君と、ここ最近の異常現象は関係があるのか」と。どこか含みのある彼の言葉にフーパは「自分だってその異常現象の被害者だ」と返した。
その真相はフーパの所有物であるはずの空間を繋ぐリングが突然彼の意志に関係なく暴走し出したとのことで、他の地方では伝説のポケモンをでたらめに呼び込んでしまうという現象が起きていた。そして暴走するリングはフーパとはまた別の空間を操る力の影響を被っているらしく、その力がこのアローラ地方にあることを感じ取ったということだった。
また新たに情報を得たパッシィはフーパに"本題"を切り出す。お互いに今回の異常現象に困っていて、フーパのリングを取り戻すことに協力する代わり、自分の問題にも力を貸してほしい――そのために『契約』しないか、と。
パッシィに明確な意図を感じたフーパは面白がる表情を見せた。「これからはランテルニーと呼ぶがいい」」
■ アーカラ島 ヴェラ火山公園~シェードジャングル
マリエヌ一行は次の炎の試練に挑むためヴェラ火山公園を訪れると、そこにはリザードンの青年とカンタイシティの港で出会った警察官の青年がいた。
2人は何やら取り込み中のようだったが、リザードンの青年がマリエヌに気づくと警察官の青年との話を中断させる。マリエヌのことを知っている様子のリザードンの青年はパッシィの旅の仲間の一人である
ヒットーだった。
先ほどから警察官の青年と話していたのは、彼の上司がヒットーの身内でありその人からヒットーに地元へ戻ってくるよう伝えることを頼まれているとのことだが、ヒットーもまた別の人物から頼まれていることがあり、青年の話を聞き入れあぐねているところだった。
ヒットー自身がすでに試練を突破してZクリスタルを手に入れたことをパッシィに見込まれ教え子の試練の後見人になることを頼まれており、正にその教え子こそマリエヌだったのだ。
偶然にもそれぞれの状況が一致し、青年は「試練さえ終わればついてきてくれるのか」と詰問するものの、マリエヌの口から港でのやりとりをあっさりバラされてしまい、ラクネアにも呆れられた挙句ヒットーから「主ポケモンの闘志を燃やす火山に捧げる踊りをマスターして、試練に協力すれば考える」という無茶振りを要求される。なんとしてでも役目を全うしようとする青年は苦渋の思いでその要求をこなすのだった。
青年の身を削るような努力によってぬしポケモンのエンニュートが目を覚まし、バトルが始まる。事前の下調べで今のメンバーでは優位を取ることが難儀すると思われていたが、ミズZを所有するラクネアが加わったことにより風向きが大きく変化。エンニュートを捉えたラクネアがZワザを命中させ完全勝利した。
試練を達成したことでホノオZを授かり、ヒットーは用件を完了させる。彼は青年からの話は簡単には終わりそうになさそうだと考え、「パッシィに相談して準備が整うまで時間がかかるから、 その間はお前が警察官としてマリエヌ達の保護者になれ」と言付ける。
ヒットーが話を呑んだ手前無下にもできなかった青年は渋々了承し、マリエヌ達の旅に加わるのだった。
そしてヒットーもマリエヌにライドギアを渡し、それを使えばいつでもパッシィの所まで移動できるようになると告げられた。
改めて加わった警察官の青年の名はオニキス。
国際警察所属の巡査であり、ある任務を課せられ単身アローラ地方へやってきたという。その任務とはこれから向かうラクネアの職場、空間研究所とも関係があるとのことだった。
しかしその前に草の試練に挑むため、まずはシェードジャングルに向かう一行。
キャプテンの指示でジャングルに生えている材料を集めることになり、草をかき分け泥だらけになる作業にオニキスが苛立ちながらも発見した材料でぬしポケモンを呼び寄せるスペシャルスープが作られる。
そうして現れたぬしポケモンのラランテスはマリエヌ達にとって有利な相手かと思われたが、膨大なエネルギーをもって放たれる『ソーラーブレード』に予想以上の苦戦を強いられる。そんな中、オニキスが『ソーラーブレード』が発動するまでにラランテスの構えに隙が生まれることを利用し、囮となって技を撃ち込みに行く。ラランテスが受け身を取ろうとした瞬間にマリエヌはオニキスの意図に気付き、彼が引き付けている死角から『ほのおのキバ』を至近距離で喰らわせ倒すことに成功した。
こうしてクサZを授けられると、転移させられたマリエヌのクラスメートル の一人・アムザがラランテス達に匿われていることが発覚し、彼を無事保護する。
見かけによらず観葉植物が趣味であるアムザはジャングルにいる間ラランテス達と花の種類について語り合ううちに和気藹々と馴染んでいたようだが、ポケモン達から聞いたキャプテン特製スペシャルスープの実態を知ることはなかった。
■ アーカラ島 空間研究所~大試練
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ラクネアに案内された空間研究所にはすでにリーリエとほしぐもさんも来ており、彼女達もここで調べ物があると話す。そして研究所の中でマリエヌ達はここで行われている研究の説明を受ける。
アローラ地方では『ウルトラホール』と呼ばれる謎の穴が空に開くことがあると言われていた。その穴は別世界へと繋がっているとされ、この世界には存在しない種族『ウルトラビースト』が出現し、かつてカプの守り神達と戦いを繰り広げたという伝承が残っていた。
リーリエとほしぐもさんも突然どこからか転移してきたらしく、浜辺で行き倒れていたところを保護されたのだった。
さらにオニキスもまた、別世界のカントー地方から次元を越えてアローラ地方に訪れたことを明かされる。
彼のいる世界でもあらゆるものが別世界へ転移してしまう異常現象が起きているらしく、その実態を解明するため国際警察が開発した最新鋭の技術によって転移のエネルギーの中心点とされているアローラ地方へ到来したのだった。
それらの様々な事実から、マリエヌ達のクラスメートが巻き込まれた原因、そしてヴィンリアが解決すべき異常現象こそがウルトラホールなのではないかと推測する。ラクネアは自分達が研究している情報に密接に関係していると考え、今後も仲間として『島巡り』に同行することになった。
一行は研究所を後にするが、最後にマリエヌが一人空を見上げると、一瞬、青空に亀裂が走るような歪みが現れたのを目の当たりにする。
次にパッシィの指示でコニコシティに向かうことになるが、島々を繋ぐディグダトンネルを通る最中スカル団に遭遇すると、オニキスは今まで以上に険しい顔を見せるが、そんな彼に怯えたのかスカル団は簡単に撃退されていった。
辿り着いたコニコシティでは、パッシィと彼の旅の仲間であるサイネリアがすでに到着していた。彼女もアーミィ同様パッシィにアローラ地方へ招待されたらしく、観光がてらにエスコートするかしないかという押し問答の最中のようだった。
次の大試練がメモリアルヒルの先にある命の遺跡の前で行うことをパッシィに説明され、それまでの間コニコシティで休息することになる。
翌日、命の遺跡に向かうため訪れたメモリアルヒルにはたくさんの墓が並んでいた。この場所には近しい者を悼む人々が訪れており、ラクネアも子供の頃に親に連れられて何度か来たことがあると口にする。親戚がたくさん集まる時によく相手をしてくれる面白い人だったことは今でもよく覚えていると話し、それを聞いたアンナも子供の頃の親族の思い出を語る。
マリエヌは産みの親の存在を知らずに生きてきたためそのような話が聞けるのは貴重な機会だと言うが、そんな彼とは対照的にヴィンリアは一人どこか物思いにふけるような顔をしていた。そしてまだプライベートのことを詳しく知らないオニキスの家族の話を聞こうとするが、話題を振られた彼はただ一言だけ答えた。
「とっくの昔に死んだ」と。
その発言に言葉を詰まらせたのも束の間、メモリアルヒルの向こうから衝撃音が響く。そこでは一人の女がポケモンを暴れさせていた。女はマリエヌ達を目にするや否や先日ディグダトンネルで撃退したスカル団の幹部・プルメリと名乗り、周囲に一般人がいるにも関わらず借りを返すと言わんばかりに戦闘を仕掛ける。
人々に危害を加えないため一行は早急に彼女のポケモンを打ち倒すが、オニキスだけはなおも殺気立って攻撃を続けようとする。「俺の親はこいつらみたいな悪党に殺されたんだ」と激しい怒りを露わにした。
これ以上事態を激化させないためマリエヌ達がオニキスを止めようとする中、命の遺跡からしまクイーンのライチが現れプルメリはその場から去って行った。
命の遺跡にはすでにリーリエとほしぐもさんも来ており、彼女達が見守る中大試練が始まる。
イワZを持つしまクイーンのポケモン達が立ちはだかるも、オニキスが先ほどの怒りをこのバトルでぶつけるかのように猛攻を続ける。最後はマリエヌが授かったホノオZの力を発揮し『ダイナミックフルフレイム』を放って勝利した。
アーカラ島の試練を全てクリアしたマリエヌ達はハノハノリゾートでイワZを授かり次の試練があるウラウラ島を目指すが、先日スカル団を追い払った功績を聞きつけたというエーテル財団の研究者に呼び止められる。そして今回の功績を称えて彼らが活動するエーテルパラダイスへと招待されることになった。