Intoroduction




ある日突然、数人の現代日本人たちが異世界に召喚される。
その世界には様々な土地や時代で歴史に名を刻まれる【偉人】達がいた。
それぞれの【偉人】にゆかりのある地で目が覚めると、その地の人々に事情を聞かされる。
なんと自分達こそがその偉人の【転生者】としてこの世界に呼び出されたのだ。
【転生者】である自分はこの時代でもう一度前世の【偉人】と同じ偉業を成し遂げなければいけないらしい。
人々に聞くがまま、前世の【偉人】とそれにまつわる歴史と目的に必要ななけなしの装備を与えられる。
かくしてこの時代で再び偉業を達成するため、それぞれゆかりの地を旅立つのだった。
バラバラな時と場所から出発した彼らは、偶然か運命か、やがて皆一つの場所に集まることになる――。

何故自分達は、【偉人】は再びこの世界に求められているのか?
それぞれに課せられた使命を追い求める先で、やがて自身の前世にまつわる彼らの生き様とその末路、
そしてこの世界の構成を保っていた摂理の真実を目の当たりにする。


World

数々の神秘的かつ超常的な力と共存する世界。
その中に存在する大陸の一つ、『サンサリオス大陸』。
サンサリオス大陸には、【偉人】と呼ばれる者達を崇め讃える文明が存在し、この世界全体にそれを根付かせた。
あらゆる土地や時代において、人々の安寧と世界の繁栄に繋がる偉業を成し遂げた者は【偉人】の名を冠され、
死後数十年から数百年以上経った今なお、彼らはそれぞれ自身にゆかりのある地を中心に崇め続けられており、
その長い歴史の上で現代の人々からは彼らを崇め讃えることこそがこの世の秩序と結束を保つとすら言われている。

だがその文明の実態は、この世界に存在する『悪しき力』を封じ込めるため、
偉業を達成した者の大いなる魂のをもって封印の力に換える『楔』にその亡骸をくべて、今現在まで封印を維持していた。
しかし膨大な時代を積み重ねた末に、人知れず増幅した悪しき力は今や内側から封印ごと食い破りかねないほどのものとなっていた。
世の人々は、いまだその真実を知ることはないまま。


  




Key Word


【 サンサリオス大陸 】
舞台となる異世界の大陸。神秘的かつ超常的な力、通称魔法が普遍的に存在している。
主体的な文明は(現代日本から見て)中世の西洋相当のものだが、大部分は魔法や自然エネルギーによって補われることで成り立っている。
大陸内でも東西南北様々な地によって文化や風習などが多種多様に異なっていることが最もたる特徴で、
かつてその地で偉人が成した偉業による恩恵を享受する形でそれぞれ安寧を得ている。
(大陸全土の風土としては、ほんの気持ちのイメージとして現代のオーストラリアに近い。地域にもよるが心なしか日差しが強い。)
『偉人』を崇め祀る風潮をはじめ、基本的には大陸の中心に位置する王都フォルクロアから発祥した習わしを主軸に発展している。
大陸の半分以上は森や海や荒野などの自然に覆われており、王都周辺には人工建造物がそれなりに多いものの、
それより遠く離れた土地では自然の中で中世の文化水準に必要最低限の開拓を施して暮らしている。

なおこの世界の人々は先天的にある程度の魔力を生まれ持っており、基礎を心得れば魔法として使用することができる。
また世界にはモンスターや精霊なども混在しており、同様に魔力を持っている。種族や個体によってその力は様々。
土地の風習によって対応は異なるが基本的にはモンスター独自で種族にあった自然環境の中で群生していることがほとんど。

サンサリオス(Sansarioce):サンスクリット語のサンサーラから。「輪廻」を意味する言葉。

【 偉人 】
サンサリオス大陸における現在に至るまでの歴史において、
困窮に陥る人々が求める望みを実現したり、世界の繁栄に大きく貢献した実績を残す人物に冠される呼称。
あらゆる土地や時代でその存在が記録されており、その恩恵と栄光によって後の世の発展に繋がっている。
偉業に関わった地では当時から現在もなお、偉業を成し遂げた本人をある種の象徴のように崇め讃え続けている。

『偉人』となる素質や資格は完全にランダムなものであり、血筋などにはゆえんしないことがほとんど。
元々どこか人とは違う能力などを生まれ持ち、その力が偉業を果たす後押しになった者もいれば、
あくまでも結果的にその実績が尋常ならざるものとして世界を大きく進展させた者など、
『偉人』となるまでの経緯は終始ケースバイケースである。
また、偉業という栄光に比例するリスクに身を投じた分、非業の死を遂げた者が多いが、
その実態を明細に知ることができるのはごく稀であったため、人々の後付けによって脚色されていることがままある。
能力やポテンシャルの差異を除けば出生などは普通の人間となんら変わりのない存在であった。

【 転生者 】
メインキャラクター達のこと。
サンサリオス大陸の歴史上で偉業を成した『偉人』の生まれ変わりとされている。
その証として身体のどこかに自身の前世である『偉人』と共通した刻印が現れている。
今回召喚された全員が現代日本人であり、こちらの世界に来るまでそのことを全く知らなかった。
召喚された時点で体質がこちらの世界に適合されており、魔力が宿って魔法が使えるようになっているほか、
特殊な能力が身に付いていたり、身体の一部に変化が現れたりしている。
彼らに関してはとりわけ自身の前世にまつわる現象であることが顕著。

召喚に際し、各地に遺されていた文明を利用して召喚の儀式が行われたのだが、
今回召喚されたのがこのメンバーだったのは、数ある『偉人』とその『転生者』の中からあらゆる条件が
スロットのようにランダムに一致したのがこのメンバーとなったため。
この世界の人々の概念では「『偉人』の死後の魂が一巡りを果たす時期がちょうどこの現代だった者達」ということにされている。

【 悪しき力 】
太古からこの世界に存在すると言われる、この世界全土に破滅の災いをもたらすもの。
遙か昔の『偉人』と当時の王都統治者によって『楔』を用いて人知れず世界の「どこか」に封印された。
その後もその存在は歴代の王政関係者、もしくは偉業の過程で漠然とその事実に気付いた『偉人』くらいにしか知られていない。
現在に至るまでなお封印され続けているが、膨大な時代を積み重ねによって増幅し続けていた結果
封印を内側から食い破るほどのものとなってしまっていた。
その力の性質から、情報の管理者達からは『デトックス』と称されている。
⇒詳細設定ページ

【 楔 】
『悪しき力』を封印するために用いられる結晶体。
各地の偉業達成に関わるとされていた場所に存在し、その大きさは大人の人一人が容易く収まるほどのもの。
中には生前に偉業を達成した『偉人』の亡骸がくべられており、彼らの大いなる魂をもって封印の力に換えている。
結晶内のエネルギーによって亡骸はくべられる直前の状態のままを維持している。
今現在に至るまで封印の力は発揮され続けており、『偉人』達は数十年から数百年以上楔の中にいることになる。
楔となる結晶はとある場所から根源が採取され関係者の専門的技術を施されたものと、
『偉人』が偉業を達成した影響と思われるなんらかのエネルギーによって自然発生したものがある。
楔を破壊すると中身ごと砕け散る。

【 神 】
この世界の神様。
この世界に超常的なエネルギーをもたらす主、もしくはそのエネルギー自体を指すとされている。
その存在の形容は各地の土地の文化や伝承などによってバラバラであり、もはや概念やイメージの統一はなされていない。
同じ『神』という言葉をもってしても出身地によって思い浮かべているものが大きく異なるという事態がザラに起こる。

ここにおける『神』はこの世界の超常的なエネルギーの総体を指す。
人々が『偉人』の魂を封印の力に換えるという概念を生み出したことに伴い、
元より存在するエネルギーとの整合を図るため、その行為を後押しするかのように、
いかなる者の魂を『偉人』とするかを見定めるようになったのも神である。
つまり自分の意志で、あるいは人為的に『楔』になった者もいれば、成し遂げた事象の結果から神に『偉人』と見做され
超然的な力(ある種の啓示のようなものを周囲に働きかけること)によって『楔』にくべられた者もいる。
そしてメインキャラ達を今回召喚される『転生者』として選定した張本人である可能性が高いが、真偽は定かではない。

【 契約 】
各地の楔の中にくべられている、自身の前世にあたる『偉人』と戦い勝利することで、
その大いなる魂の在り処を生まれ変わりである自分に明け渡される儀式。
契約が完了すると転生者が「この時代の偉人」として完全に覚醒する。
また契約後は前世である『偉人』と魂が結びついたことによって、転生者の召喚に応じて強大な力を発揮する。
普段は転生者に半ば憑依するような形で行動を共にすることとなり、『偉人』本人の意志で実体化できる。
(転生者の身に何かあると実体化が難しくなる場合がある。)
実体化している最中は他の者にも姿が見えるようになる。
契約している転生者とは実体化していなくても精神中の思念を通して意志疎通できる。

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